病棟入口に玄関を作り靴の着脱練習を促します。
12の病室ごとに12LDKの家のような感覚で設計し、入口を玄関と想定しました。靴を着脱する必然性を生むことで、知らず知らず練習に繋がり、靴や装具を自分で着脱できれば、外出への意欲も高まります。
A.
私は、医師としてリハビリテーションの現実を多く見てきました。そのなかで多くの「気づき」がこの病院には生かされています。その最も特徴的な点が、日常生活に近い環境でのリハビリテーションなのです。リハビリテーションによって運動機能が回復したと判断された患者さんが、家庭に帰ってみるとその機能を発揮できないことがあります。それは、病院の環境が非日常の特殊な空間で、自宅での日常生活を想定したものではないからではないかと考えたのです。例えば和室で暮らす方なら、畳の上を歩く感覚を取り戻さなければ、ご自宅での生活はできません。毎日料理をする必要がある方は、ご自分で料理ができるようにならなければ在宅生活に戻れません。だから千里リハビリテーション病院には、畳敷きの病室もつくり、スタッフのサポートを受けながら日常的に調理できるキッチンもつくったのです。
12の病室ごとに12LDKの家のような感覚で設計し、入口を玄関と想定しました。靴を着脱する必然性を生むことで、知らず知らず練習に繋がり、靴や装具を自分で着脱できれば、外出への意欲も高まります。
自宅で洗濯ができる練習をするには、実際に使用する機種に近いもので行う方が有効です。作業療法士が在宅状況を確認した上で、患者さんにあった機種で必要な操作ができるように練習をすすめます。
献立を考え、材料を揃え、キッチンに立ち、調理をすることはリハビリテーションとして有効だと考えています。また自分で調理ができるようになることが、自宅に帰っても生活ができるという自信に繋がります。
和室での在宅生活を想定し、そのために必要な機能を取り戻す練習ができるようにつくった畳敷きの病室です。畳の部屋で自力で立ち上がる練習が、筋力の増強や身体のバランスをとるために役立ちます。