建物・設備の考え方

社会復帰をサポートするための機能が、
建物や設備のあちこちに巡らされています。

朝起きてから夜眠るまで。患者様のリハビリテーションは、限られたリハビリの時間だけではありません。当院は、医療機関でありながら、患者様の退院後の生活再建の場所です。建物や設備には、日常生活に欠かせない動作を促す工夫がされています。当院の病棟には、すべて玄関がしつらえられています。それは、患者様が病棟から出るたびに靴の脱ぎ履きを行っていただくためです。また、食事の度に病棟を出て、少し離れたレストランまで行き、好きなメニューを自分で選んでいただきます。それは、メニューを選び、注文をする、箸を使っておかずを食べる……。日常動作のすべてがリハビリに必要な時間となるからです。レストランが離れた場所にあるのも、音楽棟や園芸棟へアクセスするのにわざわざ外を通るのも、患者様全員が寝たきりになることなく、起きている時間は出来る限り活動量を高めていただくため。すべては患者様の社会復帰のために、きめ細やかに設計されているのです。

人の尊厳を大切にし、心の快方へと導く、
リゾートでありホスピタルです。

心と身体。リハビリテーション医療では、その両方のバランスが重要だと考えます。各分野のプロフェッショナルがチームを組んで、患者様の治療に取り組みます。しかし、リハビリテーション医療は患者様の協力なしには成り立ちません。心を癒される居心地のよい施設、クリーンで開放的な環境、無理なく日常動作を行える建物……。当院では、設計段階から患者様の心のケアに主眼を置いた環境作りを心がけています。当院がリゾートホテルのような空間をご用意しているのは、単なる見た目の美しさを求めたのではありません。思いもかけない病に倒れ、心身ともに深く傷ついた患者様一人ひとりのプライバシーを尊重し、心からリラックスできる空間でリハビリテーションをして欲しい。そんな思いで、施設の細かいところを一つひとつを検討していきました。心地よい環境は、リハビリテーション医療の大きな力になる、そう信じています。