千里リハビリテーション病院アートガイド

「DISSIMILAR」(=対比)シリーズのコンセプトは、偶然と必然、動と静、一瞬と永遠、大胆と繊細、混沌と静寂、曖昧と明快、過去と未来、伝統と革新など、さまざまな相反する要素が内包されています。流動的なエネルギーや形を持たない力が、佐藤可士和を通して放たれる筆の勢いによって、時間を切り取られたように一瞬で紙や磁器などさまざまなメディアに定着され永遠のイメージとなります。筆は紙や磁器などに決して触れず、動力と重力によって描かれるこの作品は、言わば筆跡のないドローイングであり、目に見えない自然の力が鮮やかに可視化された作品です。有田焼創業400周年記念事業「ARITA400 Project」として2016年にパリで発表された一連の作品は世界的にも高い評価を得ています。

Dissimilar 2,797×2,207mm
岩絵具、和紙 アネックス棟1Fロビー
3m近い最大級の大きさの和紙に大筆の一振りによって描かれた大作は、まるで自然に流れる気を可視化しているようです。鮮やかな群青による表現は見るものに清々しい生きるエネルギーを与えてくれます。その他全ての作品は佐藤可士和によって千里リハビリテーション病院のため、各空間に合わせて描かれた世界に一つしかないオリジナル作品です。
Dissimilar 1,100×1,110mm
岩絵具、和紙 アネックス棟2F廊下
Dissimilar 810×1,110mm 2枚連作
岩絵具、和紙 アネックス棟1F廊下
Dissimilar 2,600×260mm
岩絵具、和紙 アネックス棟1F廊下
Dissimilar 2,850×600mm
岩絵具、和紙 アネックス棟2F廊下
Dissimilar 330×330mm 5枚連作
岩絵具、和紙 アネックス棟2F廊下
Dissimilar 330×330mm 4枚連作
岩絵具、和紙 アネックス棟1F廊下
Dissimilar 有田焼 直径600mm
呉須、金箔、磁器 アネックス棟1Fロビー
日本磁器発祥の地、有田焼創業400年を記念して2016年にメゾン・エ・オブジェ・パリで発表された大皿。動的な呉須に加え静的な金箔を施したこの表現は、有田のこれからの未来に向けた革新的な作品として世界でも高く評価されています。
Dissimilar 有田焼 径155x高155mm
呉須、金箔、磁器 メイン棟1Fロビー
ARITA400「DISSIMILAR」コラボレーションシリーズとして有田の窯元「李荘窯」の球型三段重に絵付けを施した作品。
ENERGY PAINTING 1,100×1,100mm
アクリル、キャンバス 絵画棟
創作のインスピレーションとなるよう絵画棟の為に描かれた作品。まっ白いキャンバスに勢いよくエネルギーをぶつけることで自分の思いを自由に表現するエナジーペインティング。
SUMI 1,365×705mm
墨、和紙 アネックス棟1F嚥下食レストラン
前進するエネルギーがテーマの墨のドローイング。どのような手法で描かれているのかわからないこの新しい表現は、見るものに無限のインスピレーションを与えてくれます。
LINE5 1,100×810mm
アクリル、キャンバス 音楽棟
演奏のインスピレーションとなるよう音楽棟のために描かれた作品。五線譜をモチーフにしたヴィヴィッドでミニマルな抽象表現により、音楽が本来持つ無限の可能性を表現しています。
TAIYO 2,000×2,000mm
絨毯 アネックス棟2Fエントランスホール
日本で唯一、糸づくりから染め、織りを熟練した職人による一貫生産を行なっている最高級じゅうたん山形段通。「TAIYO」は宇宙の神秘、皆既日食の太陽を表現しています。
佐藤可士和
クリエイティブディレクター
2008年よりクリエイティブディレクターとして千里リハビリテーション病院のトータルプロデュースを手がける。主な仕事に国立新美術館シンボルマークデザイン、ユニクロ、楽天グループ、セブン-イレブンジャパン、今治タオルのブランドクリエイティブディレクション、「カップヌードルミュージアム」「ふじようちえん」のトータルプロデュースなど。近年は文化庁・文化交流使として日本の優れた商品、文化、技術、コンテンツなどを海外に広く発信していくことにも注力している。著書に「佐藤可士和の超整理術」、「今治タオル 奇跡の復活 -起死回生のブランド戦略-」、他。慶應義塾大学特別招聘教授、多摩美術大学客員教授。
公式サイト:http://kashiwasato.com