「気づきの医療」が、
「リハビリテーションの現実」を変えていく。
「気づき」とは、既成概念や常識にとらわれず、今までとは違う視点で見たり考えたりすることで初めて生まれるものです。そこに存在していた矛盾に気づき、当たり前のことを普通に行う大切さに気づく。そしてその「気づき」を迷わず確実に実践していくのが、医療法人社団和風会の病院理念「気づきの医療」です。
例えばリハビリテーションによって運動機能を回復したと判断された患者さんが、家庭や社会に帰ってみるとその機能が発揮できずに病院に戻ってきたことがありました。そのとき、病院の環境が、非日常の特殊な空間で、自宅や社会での日常生活を想定したものではないからだと気づいたのです。社会にバリアがある限り、病院にもバリアが必要です。和室で暮らす方には、畳の上を歩く感覚を取り戻していただかなければなりません。だから畳敷きの病室をつくりました。家庭で毎日料理をする方にとっては、献立を考え、キッチンに立って調理をすることが何よりのリハビリテーションになります。だからキッチンもつくりました。リハビリテーション専用の場所で特別に訓練するよりも、自分の家、自分の部屋に近い環境で、普通のことが普通にできるようになることが大切なのです。これは、リハビリテーション医療に携わる医療提供者の視点で見出した「気づき」のほんの一例です。
そして患者さんの視点で見つめ直してみると、そこには、さらに多くの大切な「気づき」がありました。例えば、どうしてプライバシーが守られないのか? なぜベッドの上で食事をしなければならないのか? そんなことは日常生活ではありえませんし、そんな状況を強いられたらとても辛いはずです。だから個室中心の病棟とし、管理栄養士の指導のもと、和・洋・中の多彩なメニューを提供できるレストランをつくりました。
このような医療提供と患者さんのふたつの視点がもたらしてくれた多くの大切な「気づき」から「リハビリテーション・リゾート」というコンセプトは生まれました。脳卒中の患者さんにとって本当に理想的な病院をつくりたい。身体的ケアはもちろん、これまで置き去りにされがちだった精神的なケアもできる病院をつくりたい。私たちが追い求めてきた思いが、千里リハビリテーション病院となって実現したのです。
基本方針
- 私たち一人ひとりが毎日何かに気づくこと。
- その気づきを病院としてのチエ、
ノウハウへと築きあげること。 - そして、それらを当たり前のこととして実践していくこと。
患者様の権利と責務
患者様には人間としての尊厳を保ちながら医療を受ける権利があり、守っていただかなければならない責務があります。千里リハビリテーション病院は、インフォームドコンセント(十分に説明され、理解し納得した上での協力を得る)を基本姿勢として、患者様と信頼関係で結ばれた医療を行うことを目指しています。
~患者様の権利~
- 患者様には、良質な医療を公平に受ける権利があります。
- 患者様には、病気・検査・治療方針等について、十分な説明と情報提供を受ける権利があります。
- 患者様には、医療行為について選択・同意・拒否する権利があります。
- 患者様には、診断や治療方針等について、他の医療機関の意見を求める権利があります。
- 患者様には、個人情報を保護される権利があります。
~子供の患者様の権利~
- 子供たちは、ひとりの人間として大切にされ、もっとも良いと考えられる医療を受けることができます。
- 子供たちは、どんな時でも安全で安心できる環境で過ごし、医療を受けることができます。
- 子供たちは、病気のことや病気を治していく方法について、わからないことや不安なことがあるときは、いつでも病院の人に聞いて、わかりやすく教えてもらうことができます。
- 子供たちは、病気のことや病気を治す方法について、自分の考えや気持ちを家族や病院の人に伝えることができます。
- 子供たちや家族のプライバシーや個人情報は守られます。
- 子供たちは、入院しているとき、できる限り家族と過ごすことができます。
- 子供たちは、入院中も年齢や症状にあわせて、勉強したり遊んだりできます。
~患者様の責務~
- 患者様には、医療提供者に対し、自らの健康に関する情報を正確に提供する責務があります。
- 患者様には、病院の定めた規則を守る責務があります。