
千里リハビリテーション病院 副院長
多くのリハビリの現場では、スタッフの経験則と病院側の効率が優先され、身体のつくりや脳のネットワークといった根幹の部分が忘れ去られているように思います。当院では、既存の方法や常識に対して常に疑問を投げ掛け、脳画像や解剖学という科学的な視点からのアプローチを行っており、それは確実に成果を上げていると自負しています。
脳血管疾患においては、脳外科、神経内科の医師とも連携し、患者様の脳画像をしっかり読み解いています。また、運動器疾患においても問題の原因を解剖学的な根拠を持って判断し、患者様それぞれの状態に合わせてプログラムを考えています。
また、実用的歩行能力を取り戻してもらうための戦略として、治療用装具も早期から積極的に使用しています。油圧式足継手(ゲイトソリューション・GS)や電子制御式膝継手(GSKnee)を組み込んだ長下肢装具やロボットを用いた歩行練習なども取り入れ実用的な歩行獲得を目指しています。
理学療法では、脳外科、神経内科の医師とも連携し、解剖学的な視点から患者様の脳画像をしっかり読み解き、問題がどこで起きているのかを判断し、患者様の状態に合わせてプログラムを考え、運動機能の回復を目指します。
リハビリテーションの中でも、日常生活の動作──ご飯を食べる、お風呂に入る、着替える、靴を履く、そして退院後にご自宅や社会活動、お仕事への参加ができるようになるよう、患者様の要望に合わせ必要な動作の訓練も行っています。
話す、聞く、読むといった、主に言葉やコミュニケーションの訓練と、噛む、飲み込む(嚥下)という食べる際の動作の訓練を行っています。
リハビリテーションは栄養がなければできません。当院では、1日に2〜3時間のリハビリ以外にも動く時間が非常に多いのが特徴です。
30歳くらいまでの若い患者様向けに、在宅復帰だけでなく今後の生活に合わせた練習をおこなえるよう、専門のリハチームが可能性を広げるアプローチをとっています。
当院では、患者様の退院後の生活支援、社会参加支援、仕事場復帰支援を積極的に行っています。