リハビリテーションは栄養がなければできません。しかし、急性期の病院から入院してくる患者さんの8割以上は体重が減少し、低栄養の状態で来られます。その状態で十分な栄養管理なくリハビリを行えば、さらに痩せてしまいリハビリの効果を十分に発揮できない、といった悪循環になってしまいます。
患者さんが効果的にリハビリを行い、体重と筋肉量を増やしていくためには、十分な栄養管理が必要です。当院では、栄養評価のシート(特に体重、筋肉量を重視)を作成し、低栄養の患者さんに対し、個別に栄養療法のアセスメント、介入、モニタリングをして栄養改善を図っています。
当院のレストランではカフェテリア形式で好きなメニューをご自身で選んでいただき、実際に摂取された量をPOSシステムで管理して、必要に応じて塩分やカロリーなどの指導を行っています。患者さんご自身が栄養を考えながら、一皿一皿ご自身で手に取って食事を選ぶ、それもリハビリテーション医療なのです。
また、嚥下障害の患者さんには、早期に嚥下評価と経口補助の方策を含めた栄養療法を行います。経口摂取を目指す患者さんには必要時には胃瘻を造設し、半固形化栄養剤による栄養療法を実施しています。これにより液体栄養剤症候群による廃用を防ぎ、日常生活のリズムを正常化することにより、認知や運動能力の改善や経口摂取が可能になる結果も出ています。