若年者回復期リハビリテーション

当院では、30歳以下の若い患者様も入院されています。多くは交通事故による脳外傷や骨折、脳出血などです。在宅復帰だけでなく、進学や就職など今後の生活も重要なことから、専門のリハチームが可能性を広げるアプローチをとっています。特に意思の疎通が図れるようになることを重要視しており、意識レベルが低く寝たきりの状態であっても入院初期から立位訓練を行って脳への刺激を入れています。PT、OT、STによる3時間のリハビリプログラムのほか、成長期に合わせた栄養管理、外出外泊の付き添い、退院後の外来や訪問でのリハビリ(訪問は近隣のみ)などのサポートもしています。

対象となる疾患など

主な状態

交通事故による脳外傷や下肢の骨折、脳出血、脳梗塞など回復期リハビリテーション病棟の対象となる疾患および期間(詳しくはこちら

主な障害

意識障害、高次脳機能障害、歩行障害、失語、嚥下障害 など

主なリハビリテーションプログラム

  • 歩行訓練、排泄訓練、経口摂取訓練、言語(発話)訓練
  • コミュニケーション能力訓練(LINEでのやり取りなど)
  • 学習能力訓練(字を書く、計算するなど)
  • 注意力・集中力・遂行機能(段取りなど)向上訓練
  • 通学訓練(病院から通学した事例もあります)

理学療法では、脳外科、神経内科の医師とも連携し、解剖学的な視点から患者様の脳画像をしっかり読み解き、問題がどこで起きているのかを判断し、患者様の状態に合わせてプログラムを考え、運動機能の回復を目指します。

リハビリテーションの中でも、日常生活の動作──ご飯を食べる、お風呂に入る、着替える、靴を履く、そして退院後にご自宅や社会活動、お仕事への参加ができるようになるよう、患者様の要望に合わせ必要な動作の訓練も行っています。

話す、聞く、読むといった、主に言葉やコミュニケーションの訓練と、噛む、飲み込む(嚥下)という食べる際の動作の訓練を行っています。

リハビリテーションは栄養がなければできません。当院では、1日に2〜3時間のリハビリ以外にも動く時間が非常に多いのが特徴です。

30歳くらいまでの若い患者様向けに、在宅復帰だけでなく今後の生活に合わせた練習をおこなえるよう、専門のリハチームが可能性を広げるアプローチをとっています。

当院では、患者様の退院後の生活支援、社会参加支援、仕事場復帰支援を積極的に行っています。

代替療法

歌う、演奏するといった音楽の働きを用いて心身機能の回復を図るため、専用の音楽棟を設けています。

野菜や花を植える、水をやる、作物を収穫するといった、庭や畑などの屋外空間を利用した園芸活動を通して、自然とかかわり、心身共に快方へ向かうことを目指します。

人間の五感の中でもっとも優れているのは、嗅覚と言われています。また、感情と嗅覚には密接な関係があり、人間の基本的な感情は嗅覚が司っています。